財務
割安、現金比率など指標別に上位銘柄を掲載。直近の決算で開示された内容を元に算出しています。
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会社四季報は、東洋経済新報社が年4回(3月、6月、9月、12月)発行する、日本企業の詳細な情報を収録した書籍です。1936年の創刊以来、株式投資家にとって欠かせない情報源となっています。
会社四季報には、日本国内の上場企業(約4,000社)を対象に有望企業や市場注目の企業情報が網羅されています。企業の業績や財務状況、将来展望などが簡潔にまとめられており、効率よく企業を分析することができます。
四季報を用いた投資には次のような成功例があります。ある投資家が、四季報のコメント欄から「海外展開を加速」との記載を見つけ、その企業の詳細を調べたところ、海外売上比率が急成長していることを発見し株価が大幅に上昇する前に購入し、大きな利益を得た。
オンライン版の会社四季報は基本的に書籍版の会社四季報と同じ内容です。メリットは大きく2つあります。1つ目のメリットは情報を見れるタイミングです。実はオンライン版は本屋に四季報が並ぶよりも早いタイミングで情報を得ることができます。宅配便が届くのは地域や業者によりますが朝8時よりも前に届くことはないでしょう。しかし、オンライン版の情報反映は朝0時30分頃であり、通常入手できる四季報情報よりも早いです。ただし定期購読申し込み者は本屋で発売されるあるいはオンラインよりも早く入手できることは常識です。
2つ目のメリットは採用情報です。これは書籍版の会社四季報には情報がまったくありません。具体的には、採用予定数、内定数、中途数等の数がわかります。就職四季報の情報を掲載していると推察され、受注の堅調さや翌期以降の事業拡大を読み取ることができます。
また、会社四季報と同じタイミングで発売されるものに「会社四季報プロ500」があります。これは四季報編集部が独自に選出した500銘柄のみ詳細な解説付きで記載された書籍です。
それでは、会社四季報オンラインや会社四季報プロ500は購読した方が良いのでしょうか?
まずオンラインが必要かは四季報の読み方に合わせて判断するで良いです。おすすめは書籍版を読みながら気になる箇所にマーカーや付箋をつけ過去の四季報を都度見直す方法ですが、人によっては書籍の保管場所がなかったりタブレットやスマホの方が好みという方もいるでしょうから、無理におすすめはしません。しかし、四季報を活用できている投資家は書籍版を購入している方がほとんどです。
同様に、プロ500も必要な方のみ購入するで問題ありません。会社四季報すべてを読んでからマーケットを迎えるのが理想的ですが、兼業の方や読むスピードを考えれば1日かそこらで読破できる方は稀です。それでもめざとい投資家は四季報で出た有望銘柄を購入し始め株価が上がっていきますから、あまり出遅れるのも考えものです。プロ500であれば先に有望銘柄に目を通し株式を速やかに購入することもできます。
先に言っておくと、X(旧Twitter)で有名になりましたが、四季報を「写経」することは無意味です。四季報は型を覚えるのではなく、内容を理解し頭に叩き込むものですから、写経なんて無駄なことはやめましょう。
それでは実際に会社四季報の「正しい」読み方を紹介しましょう。
会社四季報を手に取り、まず最初に見るのは、巻頭にある上記のページです。各銘柄の【見出し】をランキング形式にしたものです。上位を見ることで日本市場全体の傾向を掴めます。プラスな印象のワードが多ければ、日本市場は調子が良いと判断でき、増配や連続増配が上位にあれば株主還元をする企業が増えています。
見出しは以下のように分類されており、こちらも参考にしてみてください。
業績トレンドに目を通したら、いよいよ各銘柄のページです。約4,000社の上場銘柄の情報がここに詰まっています。
個別銘柄のページは12ブロックで構成されており、それぞれのブロックを紹介していきましょう。
いきなり戸惑う箇所が業種です。この分類には馴染みのないものが記載されていますが、実は四季報を編纂している東洋経済が独自に分類した「東洋経済業種」が記載されており、全60種あります。東証が出している17業種や33業種、日経の業種分類とも違うので、業種の記載に惑わされず、次の事業内容を理解しましょう。
日本の企業にある程度詳しいと言えど、上場企業すべてを知っているという方はごく僅かでしょう。まずはその企業の社名や事業内容を把握しましょう。仕入先や販売先は地味ですが重要で、その企業が別のある企業に強く依存している場合、例えば売上の6割以上が特定の企業に偏っているというケースもあり、企業活動を知る上では重要です。
定性的にはこの部分が一番大事だと言えます。前号からの変化やその兆候を把握するために、ぜひ読み込みたい箇所です。
定量的にはこの部分が一番大事です。業績予想は会社自身が出しているものと四季報が独自に出しているものがあり、後者は別の媒体では得られないため貴重な情報源であると言えます。
前号からの変化。特にコメントなし。
配当額の増減、記念配当の有無などは要チェックです。
ここではファンドやアクティビストを含む著名大口投資家、また個人投資家の有無などをチェックします。
連結会社については把握しましょう。
直近の開示ベースでの財務状況。自分で計算しなくても数字が出ているのは便利ですね。なお、時価総額やROEの計算方法は東証の一般的な方法と異なるため注意が必要です。
特にコメントなし。
月足チャートです。一目で長期チャートが見られるので便利。上場来高値を更新した銘柄には注目です。
割安割高を見るのには便利です。
書いてあるページの内容は上記で理解できましたが、実際にはどのように読み進めると良いのでしょうか?
私のおすすめは、ページの右側の箇所からざっと目を通し特に3番・4番・9番・12番・11番を読み込む方法です。
3番・4番にはその期における業績に関わる変化や前号からの変化を読み取ることができます。定性的な部分だけでは読み取りにくい業績へのインパクトも定量的な決算数字の予想とともに把握できるため、この部分は必読であり、このために四季報があると言っても過言ではありません。
9番は自分が目を通すときにはほぼ読み飛ばしますが、資本効率の指標であるROEは必見です。
11番・12番は目に入るから見る程度で十分ですが、重要なのは翌期以降のPER水準、チャートの底値が長期で切り上がっているかなどは着目すべきポイントです。
人によっては上記のポイントを四季報通読2週目で見る方もいますが、先に挙げたポイントは投資家が絶対に見るべきポイントであり、2週目に回すのはナンセンスだと思います。
また、電卓を横に置いてキャッシュ比率を計算しながら読み進める方もいるようですが、自分はあまり効率的な読み方とは思えず、数ページ試して挫折しました。(というか普通は暗算でできますよね?)
投資家により活用の仕方は様々ですが、四季報の基本のキを覚えてぜひ活用していきましょう!
割安、現金比率など指標別に上位銘柄を掲載。直近の決算で開示された内容を元に算出しています。
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決算、TOB、株式分割、増配など適時開示の内容を掲載。
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大口投資家の動向の把握に利用できます。銘柄別情報は各銘柄の検索結果のページでも確認できます。
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