ダイイチの有価証券報告書<有価証券報告書－第70期(2023/10/01－2024/09/30)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、食料品主体のスーパーマーケットを展開しており、現在25店舗を運営している。主なセグメントはスーパーマーケット事業であり、付帯業務として店舗内テナントやショッピングセンター内の賃貸も行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：消費者の節約志向が強まっており、物価の高止まりが続く中で、価格競争が激化している。特に、食料品の需要は安定しているが、消費者はよりコストパフォーマンスを重視する傾向にある。
・競争における供給の状況：スーパーマーケット業界全体での供給過剰が見られ、各社が競争力を維持するために価格を引き下げる動きがある。特に、プライベートブランド商品の拡充が進んでいる。
・既存競合他社について：イトーヨーカ堂やセブン＆アイ・ホールディングスなどの大手が存在し、価格や品揃えでの競争が激化している。地域密着型の店舗も増えており、競争が一層厳しくなっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、オンライン販売やデリバリーサービスを強化する企業が増えており、従来の店舗型ビジネスに影響を与えている。
・代替品について：コンビニエンスストアやディスカウントストアの台頭により、消費者は選択肢が増えている。特に、利便性を重視する消費者にとって、これらの代替品は魅力的である。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の売上高は518億2753万円で、前年同期比で増加している。経常利益は19億5840万円、当期純利益は14億2485万円であり、前年同期と比較して改善が見られる。業績予想との乖離は小さく、全体的に安定した成長を示している。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の売上高は585億円を見込んでおり、前年同期比で12.9％の増加が期待されている。しかし、出店負担の増加により営業利益は減少する見込みで、リスク要因としては物価の高止まりや競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり30円に増配される見込みであり、株主還元の強化が図られている。増配の理由は、安定した業績とキャッシュフローの改善によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。