キャリアの有価証券報告書<有価証券報告書－第16期(2023/10/01－2024/09/30)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は「高齢化社会型人材サービス」を展開しており、主にシニアワーク事業とシニアケア事業の2つのセグメントから成り立っている。シニアワーク事業は55歳以上のアクティブシニアの雇用創造を目指し、シニアケア事業は介護サービスを支える人材の供給を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：高齢化が進む日本において、シニア層の労働力を活用するニーズが高まっている。特に、介護業界では人手不足が深刻であり、シニア人材の需要が増加している。
・競争における供給の状況：人材派遣業界全体での競争が激化しており、特に高齢者向けのサービスを提供する企業が増加している。これにより、価格競争が発生し、利益率が圧迫される可能性がある。
・既存競合他社について：同業他社には、シニア人材を専門に扱う企業や、一般的な人材派遣業者が存在する。競争が激化する中で、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新たにシニア人材市場に参入する企業が増えており、特にITを活用したサービス提供を行う企業が目立つ。これにより、従来のビジネスモデルが脅かされる可能性がある。
・代替品について：シニア人材の代替として、若年層の雇用や自動化技術の導入が進んでいる。特に、業務の効率化を図るためにAIやロボットを活用する企業が増えている。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の売上高は16,709,494千円、経常利益は399,281千円、親会社株主に帰属する当期純利益は249,851千円である。前期と比較すると売上高は減少しており、経常利益も減少している。業績予想との乖離は、主に人材派遣市場の競争激化と、コストの増加によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高が13,747,270千円、経常利益が277,874千円、親会社株主に帰属する当期純利益が147,188千円とされている。業績の減少は、競争の激化や人手不足の影響が続くことが予想される。リスク要因としては、労働市場の変化や新規参入企業の増加、経済環境の不透明感が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は前期から当期にかけて6.25円に設定されている。配当額の変更は、利益の減少を受けたものであり、株主還元を維持するための措置である。自社株買いについては特に言及されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。