スプリックスの有価証券報告書<有価証券報告書－第28期(2023/10/01－2024/09/30)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は教育サービス事業を展開しており、主に「森塾」、「湘南ゼミナール」、「河合塾マナビス」の3つのセグメントに分かれています。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：教育サービス市場は、少子化の影響を受けつつも、個別指導やオンライン学習の需要が高まっている。特に、コロナ禍以降、オンライン教育の普及が進み、柔軟な学習スタイルを求めるニーズが増加している。
・競争における供給の状況：競合他社もオンライン教育や個別指導を強化しており、価格競争が激化している。特に、低価格で質の高い教育を提供する新興企業が増えている。
・既存競合他社について：大手の学習塾やオンライン教育プラットフォームが存在し、特に「河合塾」や「Z会」などが強力な競争相手となっている。これらの企業はブランド力と豊富な教材を持ち、顧客の信頼を得ている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にオンライン教育分野で増加しており、AIを活用した学習支援サービスや、個別指導を提供するスタートアップが注目を集めている。
・代替品について：家庭教師や自主学習アプリ、YouTubeなどの無料教育コンテンツが代替品として存在し、特に若年層の利用が増えている。これにより、従来の学習塾の需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の業績は、売上高31,860百万円、経常利益1,134百万円、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円となった。前年同期比で売上は増加したが、経常利益と純利益は減少した。これは、競争激化による価格圧力や、広告宣伝費の増加が影響したと考えられる。業績予想との乖離は、特に利益面での下振れが見られた。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高34,000百万円、経常利益1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円とされている。成長の根拠は、オンライン教育サービスの拡充や新規教室の開設による顧客基盤の拡大にある。ただし、競争の激化や人件費の上昇、経済環境の変化がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり38円で、前期から変更はない。安定した配当政策を維持しており、株主還元に注力している。配当維持の理由は、安定したキャッシュフローを背景にしたものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。