ニックスの有価証券報告書<有価証券報告書－第94期(2023/10/01－2024/09/30)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は工業用プラスチック製品の企画・開発・製造・販売を主な事業としており、セグメント情報には工業用プラスチック部品事業が含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の市場での需要は安定しているが、特に自動車や電子機器業界からの需要が高まっている。環境意識の高まりにより、リサイクル可能な製品への需要も増加している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様の製品を提供しており、価格競争が激化している。特に、海外からの安価な製品の流入が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：国内外に複数の競合が存在し、特に大手企業が市場シェアを持っている。競合他社は技術革新やコスト削減に注力しており、競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特に環境に配慮した製品を提供する企業が増えてきている。これにより、差別化が求められる。
・代替品について：プラスチック製品の代替として金属や木材などが考えられるが、コストや性能面でプラスチックが優位な場合が多い。環境規制の影響で代替品の需要も増加している。

2. 当期業績の内容

当期の売上高は4,386,896千円で、前期比で減少した。経常利益は207,396千円で、前年の298,610千円から大幅に減少した。親会社株主に帰属する当期純利益は182,207千円で、前年の156,817千円から改善したが、業績予想には届かなかった。業績の減少は、原材料費の高騰や競争の激化が主な要因と考えられる。

3. 次期業績予想の内容

次期の業績予想は売上高4,500,000千円、経常利益250,000千円を見込んでいる。新製品の投入や海外市場の拡大が期待されるが、原材料費の高騰や為替リスクがリスク要因として挙げられる。特に、円安が続く場合、輸入コストが増加し、利益率に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり20円で、前期と変わらない。安定した配当政策を維持することで、株主還元を重視している。次期も同様の配当を維持する方針であり、業績の回復が見込まれる場合には増配の可能性もある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。