ＣＲＩ・ミドルウェアの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、ゲーム事業とエンタープライズ事業の2つのセグメントで構成されている。ゲーム事業では、音声・映像関連のミドルウェアを提供し、エンタープライズ事業では、ゲーム業界以外の分野に向けた音声・映像関連のソリューションを展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：ゲーム業界の成長に伴い、音声・映像関連のミドルウェアの需要が高まっている。また、オンラインゲームやVR/AR市場の拡大により、さらなる需要増が見込まれる。
・競争における供給の状況：競合他社も同様の技術を提供しており、特に大手ゲーム開発会社が自社開発のミドルウェアを持つケースが増えている。供給過剰の状況も見られる。
・既存競合他社について：主要な競合には、Unity TechnologiesやEpic Gamesなどがあり、これらは強力なプラットフォームを持ち、広範なユーザー基盤を有している。
・新規参入企業について：新興企業が音声・映像関連の技術を持ち込むケースが増えており、特にスタートアップ企業が革新的なソリューションを提供している。
・代替品について：自社開発のミドルウェアやオープンソースのソリューションが代替品として存在し、特にコスト面での競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の売上高は3,167,285千円で、前期比で約5.9%の増加を記録した。経常利益は383,405千円で、前期とほぼ横ばいで推移した。親会社株主に帰属する当期純利益は304,468千円で、前年の232,583千円から増加した。業績予想との乖離は見られず、安定した成長を維持している。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の売上高は3,500,000千円を見込んでおり、成長率は約10%と予想される。新製品の投入や海外市場の拡大が主な成長要因とされている。ただし、競争の激化や原材料費の上昇がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり20.00円で、前期からの変更はない。安定した利益を背景に、株主還元を重視している。次期も同様の配当水準を維持する方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が安定しており、次期業績成長率も期待できるため、投資家の信頼感が高まると考えられる。