ウォンテッドリーの銘柄分析

1. 環境分析

ウォンテッドリー株式会社は、ビジネスSNS「Wantedly」を中心に、個人向けサービスとして会社訪問アプリ「Wantedly Visit」とつながり管理アプリ「Wantedly People」を提供している。ビジネス向けには採用サービスとエンゲージメントサービスを展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：ビジネスSNS市場は成長を続けており、特にリモートワークの普及に伴い、企業と求職者のマッチングニーズが高まっている。特に、企業のビジョンや価値観に共感する人材を求める傾向が強まっている。
・競争における供給の状況：競合他社も多く存在し、特にLinkedInやIndeedなどの大手プラットフォームが強力な競争相手となっている。これらの企業は、広範なネットワークと多様な機能を提供している。
・既存競合他社について：主な競合には、LinkedIn、Wantedlyの他に、リクナビやマイナビなどの日本国内の求人情報サイトがある。これらの企業は、従来の求人情報提供に加え、SNS機能を強化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少なくないが、既存の大手企業に対抗するためには、独自の価値提案やニッチな市場を狙う必要がある。特に、特定の業界に特化したサービスが求められる。
・代替品について：従来の求人情報サイトや人材紹介サービスが代替品として機能している。これらは、特にコスト面での競争力が高く、企業にとっては魅力的な選択肢となる。

2. 当期業績の内容

2024年8月期の営業収益は4,722,125千円で、前期比で若干の減少が見られた。経常利益は1,579,367千円で、前年同期比での増加が確認されている。親会社株主に帰属する当期純利益は1,036,414千円で、前年同期比での成長が見られる。業績予想との乖離は小さく、全体的に安定した成長を維持している。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想では、営業収益が4,719,672千円、経常利益が1,612,807千円と見込まれている。これには、ビジネスSNS市場の成長と新規顧客の獲得が寄与する見込みである。ただし、競争の激化や市場の変化に伴うリスク要因として、顧客の解約率の上昇や新規参入企業の影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり20円で、前期から変更はない。配当の維持は、安定した利益を背景にした株主還元の一環である。今後も持続的な成長を目指し、株主還元を重視する方針が示されている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場の動向や競争環境により変動する可能性はあるが、安定した業績が株価を支える要因となる。