ホームポジションの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は戸建分譲事業を展開しており、主に静岡県を中心とした東海エリアと関東エリアで事業を行っている。競争環境は以下の通り。
・競争における需要の状況：新築戸建住宅の需要は依然として堅調だが、コロナウイルスの影響で一時的に需要が減少した。特に関東エリアではデザイン性を重視する顧客が増加している。
・競争における供給の状況：供給過剰の傾向が見られ、特に地方エリアでは完成在庫が増加している。これにより価格競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社は価格競争に陥りやすく、差別化が難しい状況にある。デザイン性や品質を重視する企業が増えているが、当社は独自のデザイン戦略で差別化を図っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存の競合がデザイン性を強化する動きが見られる。これにより競争が一層激化する可能性がある。
・代替品について：賃貸住宅や中古住宅が代替品として存在し、特に若年層の間で賃貸の人気が高まっている。これに対抗するため、当社は価格とデザインの両立を目指している。

2. 当期業績の内容

当期の売上高は19,730,322千円で、前期比で減少した。経常利益は△754,226千円の損失を計上し、前年の172,019千円の利益から大きく悪化した。主な原因は、販売件数の減少と原材料費の高騰によるコスト増加である。業績予想との乖離も大きく、特に利益面での悪化が顕著であった。

3. 次期業績予想の内容

次期の業績予想は、売上高が20,000,000千円を見込んでいる。デザイン性の向上と関東エリアでの販売拡大が主な要因である。ただし、原材料費の高騰や市場競争の激化がリスク要因として挙げられる。特に、在庫回転率の改善が求められる中で、値引きリスクが懸念される。

4. 投資に関する事項

配当は前期の10.00円から次期は未定である。配当額の変更理由は、業績の悪化に伴う利益の減少であり、株主還元の方針を見直す必要があるためである。自社株買いについては特に言及されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準でないこと、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準でないため、株価の反応はネガティブになると考えられる。