ナガイレーベンの銘柄分析

1. 環境分析

ナガイレーベン株式会社は、メディカルウェアの企画、製造、販売を行う企業であり、主に医療従事者や介護従事者向けの製品を提供している。セグメント情報は単一であり、メディカルウェアとシューズの販売が主な事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：医療・介護業界の需要は高まっており、特に高機能・高付加価値商品へのニーズが増加している。新型コロナウイルスの影響で感染対策商品の需要も急増している。
・競争における供給の状況：国内外の競合他社が多く存在し、価格競争が激化している。特に、海外からの安価な製品の流入が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：国内の主要な競合には、ユニフォームメーカーや医療機器メーカーがあり、各社が独自のブランド戦略を展開している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にIT技術を活用した新しいビジネスモデルを持つ企業が注目されている。
・代替品について：医療従事者向けのウェアには、一般的な作業服やユニフォームが代替品として存在し、価格面での競争が影響を与えている。

2. 当期業績の内容

2024年8月期の売上高は16,412,661千円で、前期比で減少している。経常利益は4,074,288千円、当期純利益は2,822,054千円であり、いずれも前年同期比で減少している。業績の悪化は、原材料費の高騰や人件費の上昇が主な要因とされている。業績予想との乖離は見られないが、厳しい市場環境が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年8月期の売上高は17,500百万円を目指しており、前年同期比で6.6％の増収を見込んでいる。コア市場での更新案件や新ブランドの浸透が期待されているが、インフレの影響や原材料価格の高止まりがリスク要因として挙げられる。特に、国内最低賃金の見直しが人件費に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり60円で、前期から変更はない。安定した配当政策を維持しており、株主還元の充実を図っている。業績が厳しい中でも、配当を維持する姿勢が見られる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。