ＡｐｐＢａｎｋの決算短信<2024年12月期決算短信（日本基準）（非連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はメディア事業とIP＆コマース事業の2つのセグメントを展開している。メディア事業は、サイト運営、インターネット動画配信、広告枠販売、BtoBコンテンツ提供、メディア共創企画事業を含む。IP＆コマース事業は、実店舗でのIPコラボレーションを中心に展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：個人消費の停滞が続く中、メディア事業における広告需要は不安定であり、特に検索エンジン経由の集客減少が影響している。IP＆コマース事業では、コラボレーションイベントの需要が高まっているが、競争も激化している。
・競争における供給の状況：メディア事業では多くの競合が存在し、特に動画コンテンツの制作においては、他社との差別化が求められる。IP＆コマース事業では、他社とのコラボレーションが一般化しており、独自性が重要視されている。
・既存競合他社について：メディア事業では、YouTubeやニコニコなどのプラットフォームが強力な競合となっている。IP＆コマース事業では、サンリオや他のキャラクター企業が競争相手となっている。
・新規参入企業について：新たな動画配信サービスやIPコラボレーションを行う企業が増加しており、競争が激化している。特に、SNSを活用した新興企業が注目を集めている。
・代替品について：メディア事業においては、他の情報源やエンターテインメントコンテンツが代替品となる。IP＆コマース事業では、他のキャラクター商品やイベントが代替品として機能する。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の業績は、売上高994百万円（前年同期比110.7%増）、営業損失235百万円、経常損失241百万円、当期純損失239百万円であった。前年同期に比べて売上高は増加したが、営業損失は依然として続いている。特にメディア事業の収益性が向上したことが影響しているが、IP＆コマース事業の大型コラボレーションの売上高が減少したことが影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の業績予想は現時点では不確定要素が多く、合理的な業績予想の算定が困難であるため記載されていない。リスク要因としては、ユーザーの嗜好の変化、広告単価の変動、競争の激化が挙げられる。新経営体制の下での業績回復が期待されるが、依然として不透明な状況が続いている。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期も配当は行われていない。2025年12月期の配当予想も同様に未定である。配当を行わない理由として、業績回復に向けた投資が優先されているためと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。