セーフィーの決算短信<2024年12月期 決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

セーフィー株式会社は、クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を中心に、映像データ化を通じて様々なビジネスシーンの効率化を図る企業である。主なセグメントは、クラウド録画サービス、画像解析サービス、カメラのレンタルサービス、LTE通信費などのリカーリング収益と、カメラ等の機器販売や設置作業費からなるスポット収益である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：防犯カメラの需要は高まっており、特に業務効率化やAIを活用した映像解析のニーズが急増している。少子高齢化に伴う労働力不足が背景にあり、デジタル技術の導入が求められている。
・競争における供給の状況：市場には多くの競合が存在し、特にクラウド型サービスを提供する企業が増加している。価格競争が激化しているが、技術力やサービスの質で差別化を図る企業も多い。
・既存競合他社について：競合には、同様のクラウド録画サービスを提供する企業が多く、特に大手企業が市場シェアを拡大している。これに対抗するため、セーフィーは独自の技術やサービスを強化している。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しており、特にスタートアップ企業が革新的な技術を持ち込むケースが目立つ。これにより、競争が一層激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来のアナログカメラや、他のセキュリティシステムが考えられる。特に、コスト面での優位性を持つ製品が市場に出回ることで、需要が分散する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上高は15,049百万円で、前期比27.4％の増加を記録した。営業損失は580百万円、経常損失は623百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,552百万円であった。前期の営業損失は1,091百万円であり、損失は改善しているが、依然として赤字が続いている。業績予想との乖離は見られず、売上高は当初の見込みを上回った。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の売上高は18,400百万円を見込んでおり、前期比22.3％の増加が期待されている。ARRは14,600百万円、課金カメラ台数は35.7万台に達する見込みである。調整後営業利益は50～300百万円を予想しており、リカーリング収益の増加が主な要因とされている。ただし、新規顧客獲得や新商品開発に伴うコストがリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期も配当は行われていない。今後の株主還元策については、業績改善が見込まれる2025年12月期においても、配当の実施は未定である。業績が改善し、安定した利益が見込まれる場合には、配当の実施が検討される可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。