日本エマージェンシーアシスタンスの決算短信<2024年12月期 決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は医療アシスタンス事業とライフアシスタンス事業を主なセグメントとしている。医療アシスタンス事業は、海外旅行保険の付帯サービス、法人向け医療アシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、救急救命アシスタンス事業、国際医療事業、訪日外国人向け緊急対応型医療アシスタンス事業、官公庁受託事業、EMIS代替サービス事業を含む。ライフアシスタンス事業は、生活支援サービスを提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：訪日外国人の急増により医療アシスタンスサービスの需要が高まっているが、出国日本人数は依然として2019年の水準には達していない。
・競争における供給の状況：医療アシスタンス市場には複数の競合が存在し、サービスの質や価格競争が激化している。特に、海外旅行保険を提供する企業との競争が顕著である。
・既存競合他社について：大手保険会社や医療サービスプロバイダーが競合として存在し、特に海外旅行保険を提供する企業が強力な競争相手となっている。
・新規参入企業について：医療アシスタンス市場は成長が見込まれるため、新規参入企業が増加する可能性がある。特に、テクノロジーを活用した新しいサービスを提供する企業が注目されている。
・代替品について：医療アシスタンスサービスの代替品として、自己負担での医療サービス利用や、他の保険商品が考えられる。特に、オンライン医療相談サービスの普及が影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上高は2,908百万円で、前期比19.2％減少した。営業利益は52百万円、経常利益は63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は48百万円で、いずれも大幅な減少を示している。主な原因は、新型コロナウイルス関連事業の終了や、医療アシスタンス事業の売上高減少である。前期の業績予想との乖離も大きく、特に営業利益は予想を大きく下回った。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の売上高は3,300百万円、営業利益は160百万円、経常利益は160百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は112百万円と予想されている。これらの予想は、出国日本人数や訪日外客数の増加に基づいており、医療アシスタンスサービスの需要回復が期待される。ただし、労働生産人口の減少や情報セキュリティ要件の厳格化がリスク要因として挙げられている。

4. 投資に関する事項

当期の配当は1株当たり8円で、前期の10円から減少した。これは、業績の悪化を受けたものであり、株主還元の方針を維持しつつも、内部留保の充実を図るための措置である。次期の配当については未定である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。