鉄建建設の決算短信<令和７年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

鉄建建設株式会社は、土木工事、建築工事、不動産事業、付帯事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の緩やかな回復に伴い、公共投資は堅調に推移している。特に、補正予算の効果により公共工事の需要が高まっている。民間投資も企業収益の改善を背景に設備投資が増加している。
・競争における供給の状況：建設業界全体で技能労働者不足が深刻化しており、供給側の制約が見られる。これにより、工事の進捗やコストに影響が出る可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社も同様に公共工事や民間工事を受注しており、価格競争が激化している。特に、大手建設会社との競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特定のニッチ市場においては新興企業が増加している。これにより、特定の分野での競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、プレファブ工法や3Dプリンティング技術が挙げられる。これらの技術はコスト削減や工期短縮に寄与するため、従来の建設方法に対する脅威となる。

2. 当期業績の内容

令和7年3月期第3四半期の連結業績は、売上高139,462百万円（前年同四半期比5.1％増）、営業利益2,632百万円（173.9％増）、経常利益2,783百万円（56.8％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益3,223百万円（20.1％減）であった。売上高は大型工事の進捗や新規契約の獲得により増加したが、純利益は前年の特別利益の反動により減少した。

3. 次期業績予想の内容

令和7年3月期の通期業績予想は、売上高184,000百万円（0.2％増）、営業利益2,900百万円（202.7％増）、経常利益2,400百万円（5.3％増）、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円（29.6％減）とされている。業績予想の上方修正が行われたが、リスク要因としては、技能労働者不足や建設コストの上昇が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、令和7年3月期の予想配当額が110.00円に上方修正された。これは、業績の改善を受けたものであり、株主還元の意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。