アズパートナーズの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（非連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はシニア事業と不動産事業の2つのセグメントで構成されている。シニア事業では介護付きホーム、デイサービス、ショートステイを提供し、不動産事業では土地建物の販売や賃貸を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：高齢化社会の進展により、介護サービスの需要は増加している。特に都市部では高齢者単独世帯や認知症高齢者の増加が顕著であり、介護付きホームやデイサービスのニーズが高まっている。
・競争における供給の状況：介護業界全体で人材確保が難しくなっており、供給側の課題が顕在化している。新規参入企業も増えているが、質の高いサービスを提供できる企業は限られている。
・既存競合他社について：競合他社は多く存在するが、当社はIoT／ICTプラットフォーム「EGAO link®」を活用し、業務効率化と個別ケアの提供に注力しているため、競争優位性を持っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は増加しているが、資金力やブランド力のある企業が多く、競争が激化している。特に、介護業界に特化した企業が増えている。
・代替品について：代替品としては、在宅介護や訪問介護サービスが考えられる。これらはコスト面での優位性があるが、質の高いサービスを求める顧客には介護付きホームが選ばれる傾向がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高14,159百万円（前年同期比10.5％増）、営業利益1,311百万円（前年同期比103.0％増）、経常利益1,345百万円（前年同期比93.0％増）、四半期純利益905百万円（前年同期比102.0％増）となった。業績の好調は、シニア事業の売上増加と不動産事業の利益改善によるものである。前期との差異として、特に営業利益の増加が顕著であり、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高17,842百万円（前年比4.0％増）、営業利益1,280百万円（前年比58.9％増）、経常利益1,229百万円（前年比42.0％増）、四半期純利益803百万円（前年比42.5％増）とされている。業績予想の根拠は、シニア事業の需要増加と不動産事業の安定した収益が見込まれることにある。ただし、リスク要因としては、国際情勢の不安定さや人材確保の難しさが挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は45.79円であり、前期からの増配が見込まれている。増配の理由は、業績の好調に伴う利益の増加と株主還元の強化を図るためである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、業績の好調を受けて投資家の期待が高まると考えられる。