ヤプリの決算短信<2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、ノーコードアプリ開発プラットフォーム「Yappli」と顧客管理システム「Yappli CRM」を提供する企業である。主なセグメントはアプリ運営プラットフォーム事業であり、デジタル化の進展に伴い、企業のデジタル活用を支援する役割を果たしている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタル化の進展により、企業はアプリ開発や顧客管理の効率化を求めており、ノーコードソリューションの需要が高まっている。特に、スマートフォンアプリの重要性が増しており、企業のデジタル戦略において不可欠な要素となっている。
・競争における供給の状況：市場には多くのノーコードプラットフォームが存在するが、Yappliは特に使いやすさと機能性で差別化されている。競合他社も同様のサービスを提供しているが、Yappliの独自の機能が顧客の支持を得ている。
・既存競合他社について：競合には、他のノーコードプラットフォームや従来のアプリ開発会社が含まれる。特に、国内外の大手企業が参入しており、価格競争や機能の充実が進んでいる。
・新規参入企業について：新規参入企業も増加しており、特にスタートアップ企業が独自のノーコードソリューションを提供している。これにより市場競争が激化しているが、Yappliはブランド力と実績で優位性を保っている。
・代替品について：代替品としては、従来のプログラミングによるアプリ開発や、他のノーコードプラットフォームが考えられる。特に、低価格で提供される代替品が増えているため、価格競争が影響を及ぼす可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の業績は、売上高5,511百万円（前年同期比13.3％増）、営業利益550百万円（前年同期比108.0％増）、経常利益548百万円（前年同期比115.5％増）、当期純利益748百万円（前年同期は当期純損失74百万円）であった。業績の改善は、デジタル化の需要増加と新製品の投入によるものである。前期との差異として、特に営業利益の大幅な増加が目立つ。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の売上高は6,200百万円（前期比12.5％増）を見込んでいる。営業利益は750百万円、経常利益は730百万円、当期純利益は830百万円と予想している。これらの成長は、ノーコードプラットフォームの需要拡大と新規事業への投資によるものである。リスク要因としては、競争の激化や経済環境の変化が挙げられる。特に、物価上昇や円安が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

当期の配当は行われておらず、2025年12月期においても配当の予定はない。自己株式の取得を決定しており、株主還元の強化を図る方針である。自己株式の取得は、株価水準やキャッシュアロケーションを考慮した結果であり、将来的な成長投資に備えた内部留保の確保を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、成長期待が高まる中での株価上昇が見込まれる。