日建工学の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

日建工学株式会社は、型枠貸与事業と製品販売事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の建設業界は公共投資が堅調であるものの、労務費や建設資材価格の上昇が影響し、需要の伸びは限定的。特に災害復旧事業の減少が顕著で、需要の先行きに不透明感が漂う。
・競争における供給の状況：競合他社も同様の環境下で事業を展開しており、供給過剰の状況が見られる。特に型枠貸与事業では、競争が激化している。
・既存競合他社について：同業他社は、価格競争やサービスの差別化を図っており、特に大手企業が市場シェアを拡大している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新やコスト削減を狙ったスタートアップが存在し、競争環境に影響を与える可能性がある。
・代替品について：代替品としては、プレキャストコンクリート製品や新素材の使用が進んでおり、これらが市場に与える影響が懸念される。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は3,881百万円で前年同期比12.0％減少した。営業利益は237百万円で前年同期比19.7％増加し、経常利益は280百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は191百万円で6.0％の増加を記録した。業績の減少は主に型枠貸与事業の売上減少によるもので、製品販売事業も影響を受けた。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は変更なしで、売上高は5,600百万円、営業利益は240百万円を見込んでいる。リスク要因としては、物価上昇や金融市場の変動、ウクライナ情勢や中東情勢の影響が挙げられる。特に、建設資材価格の高騰が利益率に影響を与える可能性が高い。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当は30.00円を予定しており、前期から変更はない。株主還元策として自社株買いの計画は示されていないが、安定した配当政策を維持する姿勢が見られる。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場環境や競争状況を考慮すると、短期的な大きな変動は見込まれない。