ぴあの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信[日本基準]（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、音楽・演劇・スポーツ等の大型興行のチケット販売、会員事業、K-POPや洋楽公演・音楽フェスの主催運営、及び「ぴあアリーナMM」の運営を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内レジャー・集客エンタテインメント市場は、インバウンド需要の回復やライブ・イベント開催の活発化により、需要が堅調に推移している。特に、コロナ禍前を上回る動員数やチケット単価の上昇が見られる。
・競争における供給の状況：競合他社も同様にイベントを開催しており、供給は増加傾向にあるが、当社の独自性やブランド力が競争優位性を保っている。
・既存競合他社について：大手のチケット販売業者やイベント運営会社が存在し、特に音楽フェスやスポーツイベントにおいては競争が激化している。
・新規参入企業について：新たなエンタメ企業が参入しているが、当社のブランド力やネットワークに対抗するのは容易ではない。
・代替品について：オンラインイベントやストリーミングサービスの普及により、従来のライブイベントに対する代替品が増加しているが、リアルな体験を求める需要は依然として強い。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高31,926百万円（前年同期比11.1%増）、営業利益1,589百万円（61.2%増）、経常利益1,402百万円（49.1%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益963百万円（35.5%増）となった。前期と比較して、特に営業利益と経常利益の成長が顕著であり、業績予想を上回る結果となった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高41,000百万円（3.6%増）、営業利益1,700百万円（40.5%増）、経常利益1,500百万円（62.6%増）、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円（19.5%減）とされている。業績成長の根拠は、引き続き大型興行のチケット販売や会員事業の拡大にあるが、物価高騰や人件費の上昇がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は未定であり、前期からの変更はない。株主還元に関しては、業績の成長に応じた配当政策が期待されるが、現時点では具体的な方針は示されていない。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。