ナイスの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

ナイス株式会社は、建築資材、住宅、その他の事業セグメントを展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：建築資材市場は、住宅需要の増加や公共事業の拡大により堅調に推移している。特に、住宅事業はマンション需要の高まりから成長が見込まれる。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料費の高騰が影響を及ぼしているが、競合他社も同様の課題を抱えているため、価格競争は緩やかである。
・既存競合他社について：主要な競合には、住友林業や大和ハウス工業などがあり、特に住宅事業においては競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、環境配慮型の建材を提供するスタートアップが増加しており、今後の競争に影響を与える可能性がある。
・代替品について：代替品としては、リサイクル材や新素材が挙げられ、特に環境意識の高まりから需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は170,889百万円で前年同期比7.1％増加した。営業利益は1,442百万円で27.6％の増加を記録したが、親会社株主に帰属する四半期純利益は396百万円で87.3％の減少となった。これは前年同期に固定資産売却益があったためである。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期通期の業績予想は、売上高238,000百万円、営業利益4,700百万円、経常利益4,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,200百万円である。リスク要因としては、原材料費の高騰や景気の変動が挙げられ、特に住宅市場の動向が業績に大きく影響する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は65.00円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、業績の改善を反映したものであり、株主還元の意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。