クルーズの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

クルーズ株式会社は、ITアウトソーシング事業、EC事業、メディア事業、GameFi事業、その他事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：IT人材の不足が深刻化しており、2030年までに約79万人のIT人材が不足すると予測されている。これにより、ITアウトソーシング事業の需要は高まっている。EC市場も成長しており、特にファッション関連の需要が増加している。
・競争における供給の状況：IT人材の供給は限られており、特に高齢化が進む中で新たな人材の育成が急務となっている。EC事業においては、競合他社も多く存在し、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：ITアウトソーシング市場には多くの競合が存在し、特に大手企業が強い影響力を持っている。EC事業においても、ZOZOTOWNなどの大手プラットフォームが競争相手となっている。
・新規参入企業について：IT業界は新規参入が容易であり、特にスタートアップ企業が増加している。EC市場でも新たなブランドやプラットフォームが次々と登場している。
・代替品について：ITアウトソーシングにおいては、内製化の動きが見られ、企業が自社でIT人材を育成する傾向が強まっている。EC事業では、他のオンラインショッピングプラットフォームや実店舗での購入が代替手段となる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は10,957百万円で前年同期比2.3％増加したが、営業損失は1,013百万円となり、前年同期の営業利益253百万円から大きく悪化した。経常損失も865百万円に達し、親会社株主に帰属する四半期純損失は492百万円となった。業績予想との乖離は大きく、特にITアウトソーシング事業の成長が期待されたが、全体的な損失が影響した。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想は現時点で合理的な算定ができないため、開示されていない。リスク要因としては、IT人材の供給不足が続く中での競争激化、EC事業における価格競争、GameFi事業の低調な売上が挙げられる。特に、GameFi事業の業績が回復しない場合、全体の業績に悪影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は0円であり、前期から変更はない。配当を行わない理由として、業績の悪化が影響していると考えられる。自社株買いについての情報は提供されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であるものの、次期業績成長率が不透明であり、特にITアウトソーシング事業の成長が期待される中での損失が株価にネガティブな影響を与えると考えられる。