キッズウェル・バイオの決算短信<2025年3月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

キッズウェル・バイオ株式会社は、主に「バイオ新薬事業」、「バイオシミラー事業」、「細胞治療事業（再生医療）」の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：バイオシミラー市場は、厚生労働省による普及目標の設定や診療報酬の新設により、需要が高まっている。特に、先行バイオ医薬品の特許切れに伴い、バイオシミラーの需要が増加する見込み。
・競争における供給の状況：国内にはバイオシミラー開発に関わる企業が少なく、当社は蓄積した開発ノウハウを活用して競争優位性を確保している。
・既存競合他社について：競合他社は限られており、当社は市場での先行者利益を享受している。特に、バイオシミラー事業においては、既に19製品の開発に携わっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、バイオ医薬品市場の成長に伴い、将来的には新規参入の可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来の化学合成医薬品や他の再生医療製品が考えられるが、バイオシミラーの品質や安全性が高いため、競争力がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高3,036百万円、営業損失137百万円、経常損失161百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失187百万円であった。売上高は順調に拡大したが、バイオシミラー事業における原薬製造コストの上昇や研究開発投資の増加が影響し、損失が発生した。前期との比較は行っていないが、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高4,000百万円、営業損失1,000百万円、経常損失1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純損失950百万円である。バイオシミラー事業の成長が期待される一方で、研究開発投資の増加や外部要因による利益率の低下がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期も前期同様に0円の予想であり、配当額の変更はない。これは、業績回復の見込みが立たないため、株主還元を行わない方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいと考えられる。