石原産業の決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。

- 有機化学事業

- 無機化学事業

- その他の事業

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内では個人消費が物価上昇の影響で伸び悩んでいるが、海外では米州及び欧州での農薬需要が増加している。特に、殺菌剤の需要が堅調であり、電子部品用材料の需要も海外で好調に推移している。
・競争における供給の状況：供給側では、国内の生産能力が限られている中で、海外からの輸入が増加している。特に、アジア地域からの競争が激化しており、価格競争が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：競合他社は、国内外での販売網を強化しており、特に海外市場でのシェア拡大を目指している。競争が激化する中で、価格競争や製品の差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にアジア地域からの企業が増加しており、価格競争を引き起こしている。これにより、既存企業は競争力を維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：代替品の存在は、特に農薬や化学製品において顕著であり、環境に配慮した製品の需要が高まっている。これにより、企業は新たな製品開発や技術革新を進める必要がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が1,054億円（前年同期比7.0%増）、営業利益が38億円（54.4%増）、経常利益が56億円（6.6%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益が17億円（36.7%減）であった。前年同期と比較して、売上高は増加したものの、純利益は法人税等調整額の増加により減少した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高148,000百万円（6.9%増）、営業利益10,000百万円（13.0%減）、経常利益9,500百万円（36.0%減）、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円（24.9%減）である。リスク要因としては、国内外の経済情勢の不透明感、特に米国の政治情勢や為替動向が挙げられる。また、原材料価格の変動や競争の激化も影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は85円であり、前期からの変更がある。これは、企業の利益剰余金の減少を受けての見直しであり、株主還元を重視した結果である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。