グローベルスの決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は不動産事業を主なビジネスとしており、具体的には新築分譲マンション、戸建て住宅、所有区分マンション、土地の販売、賃貸管理、及び不動産投資型クラウドファンディングを行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の不動産市場は、インバウンド需要や企業の投資意欲が高まっているものの、住宅価格の高騰や住宅ローン金利の上昇が影響し、需要は減少傾向にある。特に、首都圏の新築分譲マンションの発売戸数は減少しており、契約率も低下している。
・競争における供給の状況：供給側では、住設機器や関連資材の価格高騰が続いており、これが住宅価格に影響を与えている。供給は依然として高水準だが、需要の減少により供給過剰の懸念もある。
・既存競合他社について：競合他社も同様に高価格の住宅を提供しており、価格競争が激化している。特に、資材費の高騰が利益率を圧迫している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、クラウドファンディングなど新しい資金調達手法を用いる企業が増えている。これにより、資金調達の多様化が進んでいる。
・代替品について：賃貸住宅や中古住宅が代替品として存在し、特に賃貸市場は安定した需要があるため、競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高4,773百万円（前年同期比5.5％増）、営業利益343百万円（前年同期比55.3％減）、経常利益188百万円（前年同期比67.5％減）、四半期純利益123百万円（前年同期比71.4％減）となった。営業利益と経常利益の大幅な減少は、主に原材料費の高騰と販売戸数の減少によるものである。前期と比較して、業績は予想を下回っている。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高7,566百万円（前期比5.1％増）、営業利益461百万円（前期比51.0％減）、経常利益190百万円（前期比70.2％減）、当期純利益104百万円（前期比77.9％減）とされている。業績予想の根拠は、引き続き新築分譲マンションの販売が見込まれる一方で、住宅価格の高騰や金利上昇がリスク要因として挙げられる。特に、住宅購入者のマインド低下が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当は業績の動向を勘案して決定される予定であり、現時点では配当額の変更はない。前期からの配当は行われていないため、株主還元策は未定である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいと考えられる。