Ｓ＆Ｊの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（非連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はサイバーセキュリティ事業を展開しており、主にSOCサービスとコンサルティングサービスの2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：サイバー攻撃の増加に伴い、情報セキュリティ対策の必要性が高まっている。特に公共交通機関や金融機関への攻撃が報告されており、企業はセキュリティ投資を増加させている。
・競争における供給の状況：市場には多くの競合他社が存在し、各社が独自の技術やサービスを提供している。競争が激化しているため、企業は差別化を図る必要がある。
・既存競合他社について：大手企業から中小企業まで多様な競合が存在し、特に大手は資金力や技術力で優位に立っている。新規参入企業も増えており、競争が一層厳しくなっている。
・新規参入企業について：新たな技術やサービスを持つスタートアップが市場に参入しており、特にAIを活用したセキュリティソリューションが注目されている。これにより、競争環境が変化している。
・代替品について：従来のセキュリティ対策に代わる新しい技術やサービスが登場しており、特にクラウドベースのセキュリティサービスが人気を集めている。これにより、企業は従来のサービスからの移行を検討する必要がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高1,379百万円（前年同期比23.7％増）、営業利益269百万円（同28.8％増）、経常利益272百万円（同50.1％増）、四半期純利益186百万円（同52.3％増）となった。業績の向上は、新規案件の獲得やセキュリティインシデントへの対応が寄与した。前期との比較では、全体的に成長が見られ、業績予想との乖離はない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高2,013百万円（前年比25.0％増）、営業利益403百万円（同15.6％増）、経常利益403百万円（同26.3％増）、四半期純利益271百万円（同24.4％増）とされている。業績予想の根拠は、引き続きサイバーセキュリティ需要の高まりと新規案件の獲得が見込まれることにある。ただし、円安や資源高による物価上昇がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は0円であり、前期から変更はない。自己株式の取得を行う方針が示されており、経営環境の変化に対応した資本政策の一環として位置づけられている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。