タナベコンサルティンググループの決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

タナベコンサルティンググループは、経営コンサルティングを主なビジネスとし、ストラテジー＆ドメイン、デジタル・DX、HR、ファイナンス・M&A、ブランド＆PRなどのセグメントを持つ。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の雇用・所得環境が改善し、緩やかな景気回復基調が続く中、企業の経営課題解決に向けたコンサルティングニーズが高まっている。特に、デジタル化や人材マネジメントに関する需要が顕著である。
・競争における供給の状況：競合他社も同様にデジタル・DXやHR領域に注力しており、サービスの多様化が進んでいる。特に、ITテクノロジー企業とのアライアンスが強化されている。
・既存競合他社について：大手コンサルティングファームや専門性の高い中小企業が競合として存在し、価格競争やサービスの差別化が求められている。
・新規参入企業について：新たなスタートアップ企業がデジタル領域に参入しており、特にAIやデータ分析を活用したサービスが増加している。
・代替品について：自社での経営戦略策定やデジタル化を進める企業が増えており、内製化の動きが代替品としての影響を及ぼしている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高111億405百万円（対前年同四半期増加率13.5%）、営業利益13億720百万円（同43.4%増）、経常利益14億60172百万円（同52.3%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益8億89161百万円（同45.5%増）となり、過去最高の業績を記録した。前期との比較では、全体的に大幅な増収増益を達成している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高140億円（前年比9.9%増）、営業利益14億8500万円（前年比47.0%増）、経常利益15億円（前年比48.1%増）、親会社株主に帰属する当期純利益9億円（前年比40.4%増）とされている。リスク要因としては、地政学的リスクや物価上昇、為替変動が挙げられ、これらが顧客企業の経営環境に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は28円（前期比増加）であり、株主還元を重視した姿勢が見られる。自己株式の取得も行っており、株主価値の向上を図っている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。