日本たばこ産業の決算短信<2024年12月期 決算短信〔IFRS〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は日本たばこ産業株式会社であり、主なビジネスセグメントはたばこ事業、医薬事業、加工食品事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：たばこ市場は健康志向の高まりや禁煙政策の影響を受けており、需要は減少傾向にあるが、加熱式たばこや電子たばこなど新たな製品が需要を支えている。医薬事業や加工食品事業は、特に健康志向の高まりにより需要が増加している。
・競争における供給の状況：たばこ業界は大手企業が市場を支配しており、競争は激しい。新規参入企業は少ないが、代替品の増加により競争が激化している。医薬事業や加工食品事業では、競合他社との競争が見られる。
・既存競合他社について：主要な競合には、フィリップモリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコなどがあり、特に加熱式たばこ市場での競争が激化している。これらの企業は新製品の開発やマーケティング戦略に力を入れている。
・新規参入企業について：新規参入企業は主に電子たばこやCBD製品などの代替品を提供しており、特に若年層をターゲットにしたマーケティングが行われている。
・代替品について：電子たばこや加熱式たばこ、ニコチンパッチなどの代替品が増加しており、特に健康志向の消費者に支持されている。これにより、従来のたばこ製品の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上収益は3兆1,497億円で、前年同期比10.9％増加した。営業利益は6,972億円で、前年同期比3.7％の増加。税引前利益は6075億円で、前年同期比2.3％減少した。親会社の所有者に帰属する当期利益は4,634億円で、前年同期比3.9％減少した。業績予想との乖離は、金融損益の悪化が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の売上収益は3兆2,730億円を見込んでおり、前年同期比3.9％の増加を予想している。調整後営業利益は7,350億円を見込んでおり、前年同期比2.2％の減少を予想している。リスク要因としては、健康上の懸念の増大や規制の強化、競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は1株当たり194円を予定しており、前年同期と同水準である。配当性向は74.3％であり、安定した株主還元を目指している。配当額の変更はないが、今後の業績に応じて見直しが行われる可能性がある。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。