ＧＭＯリサーチ＆ＡＩの決算短信<2024年12月期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、インターネットリサーチ事業を中心に、調査会社向けのプラットフォーム提供や、DIY型リサーチサービスを展開している。主なセグメントは、事業会社、調査会社、グローバルパネル会社である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：マーケティング・リサーチ業界は、オンライン化の進展やDIY型リサーチの需要増加により拡大傾向にある。特に、セルフサービスプラットフォーム市場は25.5%の成長を見せている。
・競争における供給の状況：競合他社もオンラインリサーチサービスを強化しており、特にアジア市場での競争が激化している。顧客とのシステム連携や品質向上が求められている。
・既存競合他社について：国内外の調査会社が競争相手であり、特にアジア市場では顧客のニーズに応じたサービス提供が重要視されている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動きは見られるが、既存の大手企業に対抗するためには、独自の技術やサービスの差別化が必要である。
・代替品について：代替品としては、他のリサーチ手法やデータ分析サービスが考えられ、特にAIを活用した分析サービスが注目されている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上高は5,025百万円で、前年同期比1.8%減少した。営業利益は235百万円で46.6%の減少、経常利益は248百万円で41.9%減少、親会社株主に帰属する当期純利益は183百万円で40.4%減少した。業績の悪化は、主に調査会社向けの売上減少や、競争激化による価格圧力が影響している。前期との乖離は顕著であり、業績予想との乖離も大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の業績予想は「未定」とされている。これは、GMOタウンWiFi株式会社との経営統合に伴う影響を精査中であるためである。リスク要因としては、統合関連費用の発生や、シナジー効果の不確実性が挙げられる。市場環境の変化や競争の激化もリスク要因となる。

4. 投資に関する事項

配当は2024年12月期も114.84円で維持されているが、2025年12月期の配当予想は未定である。配当性向は102.4%であり、利益の減少に伴い配当の持続可能性が懸念される。配当額の変更があれば、その理由は業績の不透明感や資本政策の見直しに起因する可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。市場の不透明感や競争環境の変化が影響を与える可能性があるが、現時点では大きな変動は見込まれない。