徳倉建設の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

徳倉建設株式会社は、建築、土木、不動産、その他のセグメントで事業を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済は緩やかな回復基調にあり、公共投資や民間投資が堅調である。特に、インバウンド需要の増加が人流を活発化させているが、物価上昇や国際情勢の不安定さが影響を及ぼしている。
・競争における供給の状況：建設業界では、資材価格や労務費の高騰が続いており、供給側のコスト圧力が強い。これにより、企業は効率化や生産性向上を求められている。
・既存競合他社について：競争が激化しており、特にICTや建設DXの導入が進む中で、技術力や品質の向上が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデジタル技術を活用した新しいビジネスモデルを持ち込むことで、既存企業に対抗している。
・代替品について：代替品としては、プレハブ工法や3Dプリンティング技術が挙げられ、これらはコスト削減や工期短縮に寄与する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高52,019百万円（前年同四半期比19.3％増）、営業利益848百万円（前年同四半期比15.7％減）、経常利益955百万円（前年同四半期比12.0％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益775百万円（前年同四半期比13.4％増）であった。売上高は増加したものの、利益は減少した。これは、建設資材価格の高騰や労務費の上昇が影響していると考えられる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高75,000百万円（前年比17.8％増）、営業利益1,600百万円（前年比△1.0％減）、経常利益1,700百万円（前年比△1.0％減）、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円（前年比3.2％増）である。リスク要因としては、物価上昇や国際情勢の不安定さ、労務費の高騰が挙げられる。これらが業績に与える影響は大きいと予想される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は150.00円であり、前期から変更はない。安定した配当政策を維持しているが、業績の変動により将来的な配当の見直しが必要になる可能性がある。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場の不透明感や競争環境の厳しさが影響する可能性があるが、安定した配当政策が株主の信頼を支える要因となる。