東京コスモス電機の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

東京コスモス電機株式会社は、可変抵抗器事業と車載用電装品事業を主なセグメントとして展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：電子部品業界では、半導体不足が緩和されつつあるが、物価上昇や中国経済の減速が影響し、需要は依然として不安定である。特に、車載用電装品の需要は国内自動車メーカーの生産に依存しており、堅調に推移しているものの、全体的な消費者の節約志向が影響を与えている。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体不足の緩和により一部の電子部品の出荷が回復しているが、依然として原材料費の高騰が企業の利益を圧迫している。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の電子部品市場で競争しており、特に価格競争が激化している。技術革新や製品の差別化が求められる中、各社は研究開発に注力している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に技術革新を武器に市場に挑戦しているが、既存の大手企業に対する競争力を持つには時間がかかると考えられる。
・代替品について：代替品の存在は、特に新技術の進展により増加しており、企業はこれに対抗するために製品の品質向上やコスト削減を進める必要がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は7,953百万円で前年同期比0.2％増加したが、営業利益は856百万円で前年同期比13.4％減少した。経常利益は855百万円で23.1％減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益は523百万円で32.7％減少した。業績の悪化は、原材料費の高騰や研究開発への投資増加が主な要因である。前期との比較では、売上高は微増したものの、利益面での減少が顕著である。業績予想との乖離は、特に営業利益と経常利益において大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高10,000百万円、営業利益850百万円、経常利益800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益560百万円とされている。業績予想の根拠は、需要の回復や新製品の投入による売上増加が期待される一方で、原材料費の高騰や為替リスクがリスク要因として挙げられる。特に、物価上昇が消費者の購買意欲に影響を与える可能性があり、注意が必要である。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は160.00円であり、前期の145.00円から増加する見込みである。配当の増加は、安定した収益基盤の維持を目指す企業の方針によるもので、株主還元の意識が高まっていることを示している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。