デジタルガレージの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のビジネスセグメントを展開している。プラットフォームソリューション、ロングタームインキュベーション、グローバル投資インキュベーション。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタル決済の普及に伴い、対面および非対面決済の需要が増加している。特に、訪日外国人の増加により、観光業向けの決済サービスが好調である。
・競争における供給の状況：競合他社もデジタル決済サービスを強化しており、特にフィンテック企業が新たなサービスを次々と投入している。これにより、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：主要な競合には、PayPayやLINE Payなどの大手フィンテック企業が存在し、彼らは積極的なマーケティングとサービス拡充を行っている。
・新規参入企業について：新たなスタートアップ企業が次々と市場に参入しており、特に特定のニッチ市場を狙ったサービスが増加している。これにより、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：クレジットカードや現金などの従来型決済手段が依然として広く利用されており、特に高齢者層にはデジタル決済の普及が遅れているため、代替品としての影響が残る。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、収益が27,580百万円（前年同期比0.1％増）であったが、税引前利益は7,592百万円の損失を計上した。親会社の所有者に帰属する四半期利益は5,241百万円の損失であり、前年同期の利益4,415百万円から大きく悪化した。業績予想との乖離は、特にグローバル投資インキュベーション部門での評価損が影響している。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想では、プラットフォームソリューションの決済事業が安定した成長を見込んでおり、税引前利益は前連結会計年度比20％の増益を予想している。リスク要因としては、競争の激化や投資先企業の業績不振が挙げられる。特に、Blockstream Corporation Inc.の評価損が再発する可能性が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当金は普通配当43円、特別配当10円を予定している。前期からの変更は、業績悪化に伴い配当額が減少したことが理由である。株主還元策としては、自社株買いも行っており、資本政策の一環として株主価値の向上を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。