朝日印刷の決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

朝日印刷株式会社は、主に印刷包材事業、包装システム販売事業、人材派遣事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場では医薬品や化粧品向け製品の需要が変動しており、特にインバウンド需要の減少が影響を及ぼしている。一方、国外市場ではマレーシアでの受注が堅調であり、成長が見込まれる。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料価格の高止まりが影響しており、コスト上昇が利益率に圧迫をかけている。特に印刷包材事業では、価格改定が求められる状況にある。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、国内の大手印刷会社との競争が厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業の動きは少ないが、技術革新を背景にしたスタートアップ企業が特定のニッチ市場に参入している可能性がある。
・代替品について：デジタル印刷技術の進展により、従来の印刷方法に代わる新たな選択肢が増えている。特に小ロット生産においては、デジタル印刷が優位性を持つ。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は324億66百万円で、前年同期比3.7％増加した。営業利益は15億89百万円で0.5％の微増、経常利益は16億65百万円で2.5％減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益は12億47百万円で6.7％増加した。前年同期と比較して、包装システム販売事業が好調であったが、経常利益の減少は支払利息や賃貸物件の補修による影響が大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高44,100百万円、営業利益2,650百万円、経常利益2,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円を見込んでいる。リスク要因としては、資源価格の高止まりや物価上昇、国際情勢の不安定さが挙げられる。特に、米国の金利動向や地政学的リスクが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に18.00円を予定しており、期末には20.00円を見込んでいる。前期からの増配は、業績の改善を反映したものであり、株主還元の強化を図る意向が示されている。

5. 株価予想

上記の業績予想や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。