ＺＯＺＯの決算短信<2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)（公認会計士等による期中レビューの完了）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」とファッションメディア「WEAR by ZOZO」を中心に事業を展開している。主なセグメントは、ZOZOTOWN事業、LINEヤフーコマース、BtoB事業、広告事業で構成される。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：物価上昇の影響を受けつつも、賃上げやインバウンド消費が国内需要を支え、ファッション関連の消費意欲は堅調に推移している。特に、オンラインショッピングの需要は高まっている。
・競争における供給の状況：競合他社もオンライン販売を強化しており、特に新興ブランドや海外ブランドの参入が目立つ。これにより、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：楽天やAmazonなどの大手ECサイトが強力な競争相手であり、特にファッション分野においては、各社が独自のサービスやプロモーションを展開している。
・新規参入企業について：新興ブランドやスタートアップ企業が増加しており、特にSNSを活用したマーケティング戦略を持つ企業が目立つ。これにより、消費者の選択肢が広がっている。
・代替品について：実店舗での購入や他のECサイトでの購入が代替品として存在し、特に実店舗での体験を重視する消費者も多い。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高161,076百万円（前年同期比9.2％増）、営業利益51,761百万円（同13.3％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益35,943百万円（同10.7％増）となった。前年同期比での成長は、広告事業の成長や送料収入の増加が寄与している。前期との差異は、特に営業利益の伸びが顕著であり、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高214,400百万円（前年同期比8.8％増）、営業利益64,200百万円（同6.9％増）を見込んでいる。成長の根拠としては、ユーザー数の増加や新規ブランドの導入、広告事業の拡大が挙げられる。ただし、為替相場の不安定さや国際情勢の影響がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は107.00円であり、前期からの増加が見込まれている。これは、業績の向上に伴う株主還元の一環として位置付けられている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。