ツカダ・グローバルホールディングの決算短信<2024年12月期 決算短信［日本基準］（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はブライダル市場、ホテル市場、ウェルネス＆リラクゼーション（W&R）市場において事業を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：訪日外国人数が2024年に36百万人と過去最高を更新し、ホテル事業の宿泊稼働率や単価が上昇している。婚礼市場も微増しているが、海外挙式の需要は円安の影響で厳しい状況が続いている。
・競争における供給の状況：競合他社も同様に高品質なサービスを提供しており、特にホテル業界では新規参入が増加している。供給過剰の懸念もあるが、差別化されたサービスが求められている。
・既存競合他社について：国内外の大手ホテルチェーンやブライダル業者が競争相手であり、特に訪日外国人向けのサービスを強化している企業が多い。
・新規参入企業について：新たなブライダル会場やホテルが増加しており、特に地域密着型のサービスを提供する企業が目立つ。これにより、価格競争が激化する可能性がある。
・代替品について：オンラインでの結婚式や、低コストのブライダルプランが増えており、従来の高価格帯のサービスに対する代替品としての影響が出ている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の売上高は63,545百万円で、前年同期比10.6％増加した。営業利益は7,408百万円で38.7％の増加、経常利益は7,726百万円で34.5％増加した。親会社株主に帰属する当期純利益は5,147百万円で8.8％の増加となった。前年の業績と比較して、特に営業利益の増加が顕著であり、為替差益や新規子会社の影響が寄与した。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の売上高は70,954百万円、営業利益は8,800百万円、経常利益は7,869百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5,268百万円と予想されている。訪日外国人数や個人消費の堅調な推移が見込まれるが、円安や為替相場の変動がリスク要因として挙げられている。特に婚礼施行単価の回復が遅れている点が懸念材料である。

4. 投資に関する事項

2024年12月期の年間配当金は11.00円で、前期からの増加が見込まれている。配当性向は10.2％であり、株主還元に対する姿勢が示されている。次期も同様の配当水準を維持する方針であるが、業績の変動に応じて見直しが行われる可能性がある。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場の動向や競争環境の変化により、株価に影響を与える要因が多いため、注意が必要である。