新日本空調の決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信 〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

新日本空調株式会社は、設備工事事業を主なビジネスセグメントとしている。以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済は企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復を見せている。特にデータセンターや半導体産業向けの設備投資が堅調であり、大都市圏での再開発も進行中。これにより、設備工事の需要は高まっている。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰や労務費の上昇が影響し、供給側のコストが増加している。これにより、適切な価格転嫁が求められている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、技術革新やデジタル化に対応できる企業が競争優位を持つ傾向がある。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデジタル技術やグリーンエネルギーに特化した企業が増加しており、競争が一層厳しくなる可能性がある。
・代替品について：代替品としては、AIやIoTを活用した新しい技術が挙げられ、これらの技術が従来の設備工事に取って代わる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高88,568百万円（前年同期比3.4％増）、営業利益5,262百万円（同3.8％増）、経常利益5,815百万円（同5.4％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益3,879百万円（同4.8％減）となった。前年同期に比べて売上は増加したが、純利益は減少した。これは、原材料費や労務費の上昇が影響していると考えられる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高133,000百万円（前年同期比3.9％増）、営業利益9,300百万円（同0.7％増）、経常利益9,800百万円（同0.8％増）、親会社株主に帰属する当期純利益8,000百万円（同11.6％増）とされている。業績予想の根拠としては、設備投資の堅調な推移や新規プロジェクトの受注が挙げられるが、原材料価格の高騰や国際情勢の不安定さがリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当金は30円（株式分割後）と予想されている。前期からの変更はないが、株式分割を考慮した場合、年間配当金合計は120円となる。配当の維持は、安定した収益基盤を反映している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。