エア・ウォーターの決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

エア・ウォーター株式会社は、デジタル＆インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス＆セーフティー、アグリ＆フーズ、その他の事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外での産業ガス需要は、特にデジタル・半導体関連事業において堅調に推移しているが、鉄鋼・化学分野では減少傾向が見られる。エネルギー分野では、低・脱炭素需要の高まりが新たな需要を生んでいる。
・競争における供給の状況：供給側では、競合他社も同様の市場に参入しており、価格競争が激化している。特に、産業ガスの価格改定が競争力を左右する要因となっている。
・既存競合他社について：国内外の大手企業が競合として存在し、特に産業ガス市場では、各社が技術革新やコスト削減に注力している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデジタル・半導体関連事業において増加しており、技術力を武器に市場シェアを狙っている。
・代替品について：代替品としては、再生可能エネルギーや新しいエネルギー供給方法が挙げられ、特にエネルギーソリューション分野での競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上収益784,867百万円（前年同期比5.4%増）、営業利益53,204百万円（同6.8%増）、親会社の所有者に帰属する四半期利益35,016百万円（同12.8%増）であった。前年同期と比較して、全てのセグメントで増収増益を達成したが、特にデジタル・半導体関連事業が好調であった。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益1,100,000百万円（前年対比7.4%増）、営業利益78,000百万円（同14.2%増）、親会社の所有者に帰属する当期利益50,000百万円（同12.7%増）である。リスク要因としては、為替変動や国際情勢の不透明さが挙げられ、特に米国大統領選の影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は64.00円であり、前期からの変更はない。配当の安定性を維持するため、業績の向上に伴い配当額を維持する方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。