シードの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はコンタクトレンズ及び関連商品を主なビジネスとしており、セグメント情報には「コンタクトレンズ・ケア用品」と「その他」が含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外での近視人口の増加や1日使い捨てタイプへのシフトが進んでおり、特にオルソケラトロジーレンズの需要が急増している。市場全体が拡大している中で、特定の高付加価値商品に対する需要が高まっている。
・競争における供給の状況：新規生産設備の稼働により供給能力が向上しているが、設備増設に伴う生産の実現には時間がかかっている。特に、納期遅延が発生しているため、供給が需要に追いついていない状況が続いている。
・既存競合他社について：国内外の競合他社も同様に市場拡大を狙っており、特にシリコーンハイドロゲルレンズやオルソケラトロジーレンズに注力している。競争が激化しているため、価格競争や新製品の投入が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、コンタクトレンズ市場の成長に伴い、新たな企業が参入する可能性がある。特に、技術革新を持つ企業が注目される。
・代替品について：眼鏡や視力矯正手術などの代替品が存在するが、コンタクトレンズの利便性や快適性から需要は依然として高い。特に、オルソケラトロジーレンズは新たな選択肢として注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高25,188百万円（前年同期比4.4%増）、営業利益1,267百万円（前年同期比30.3%減）、経常利益1,196百万円（前年同期比33.7%減）、親会社株主に帰属する四半期純利益825百万円（前年同期比33.1%減）となった。売上高は前年同期比で増加したものの、利益は大幅に減少した。これは、設備投資による生産ロスや原価率の上昇、円安による輸入価格の上昇が影響したためである。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高33,000百万円（前年比1.9%増）、営業利益1,200百万円（前年比41.5%減）、経常利益1,100百万円（前年比46.6%減）、親会社株主に帰属する当期純利益750百万円（前年比61.8%減）とされている。業績予想の修正は、設備投資の効果がタイムラグを伴うため、短期的には厳しい状況が続くと見込まれる。リスク要因としては、原材料費の高騰や円安の影響、競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は15.00円であり、前期から変更はない。配当の維持は、安定した株主還元を目指す企業方針に基づいている。業績が厳しい中でも、株主への還元を重視している姿勢が見受けられる。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。