スクウェア・エニックス・ホールディングスの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業、ライツ・プロパティ等事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタルエンタテインメント市場は成長を続けているが、新作ゲームの売上が前年同期比で減少している。特に、HDゲームの新作タイトルからの収益が期待を下回ったことが影響している。アミューズメント事業は既存店売上が好調で、需要が堅調に推移している。
・競争における供給の状況：競合他社も新作ゲームを投入しており、競争が激化している。特に、人気IPを持つ企業が新作を発表することで市場シェアを奪い合っている。
・既存競合他社について：大手ゲームメーカーやアミューズメント企業が競争相手であり、特にデジタルエンタテインメント事業では、他社の新作ゲームが市場に影響を与えている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、インディーゲーム開発者が増加しており、独自のコンテンツで市場に挑戦している。これにより、競争が多様化している。
・代替品について：スマートフォンゲームや無料プレイのオンラインゲームが代替品として存在し、特に若年層のユーザーがこれらに流れる傾向が見られる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高248,519百万円、営業利益33,381百万円、経常利益37,759百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益24,718百万円であった。前年同期比で売上高は3.5％減、営業利益は4.4％減、経常利益は7.7％減、四半期純利益は7.7％減となった。特に、デジタルエンタテインメント事業の新作タイトルからの売上減少が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期通期の業績予想は、売上高310,000百万円、営業利益40,000百万円、経常利益40,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益28,000百万円である。リスク要因としては、競争の激化や新作ゲームの売上不振が挙げられる。また、為替相場の変動も影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は71.00円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、業績の回復を見込んだものであり、株主還元の意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。