東京機械製作所の決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は新聞業界向けの印刷機械を中心に事業を展開している。主なセグメントは輪転機事業とFA（Factory Automation）事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：新聞業界はインターネットの普及により紙の新聞需要が減少しており、広告収入も低迷している。このため、新聞社は設備投資に対して慎重な姿勢を維持している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様に新聞業界の厳しい環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、技術革新を進める企業が増えており、競争が一層厳しくなっている。
・既存競合他社について：主要な競合には、国内外の印刷機械メーカーが存在し、特に技術力やコスト競争力が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を背景に新たなビジネスモデルを持つ企業が出現する可能性がある。
・代替品について：デジタルメディアの普及により、紙媒体の代替としてオンラインニュースやSNSが広がっている。これにより、新聞社の収益モデルが脅かされている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結売上高は52億5千1百万円で、前年同期比23.9%減少した。営業利益は3億9千7百万円で、前年同期比24.0%減少した。経常利益は5億円で、前年同期比9.6%減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益は1億8千6百万円で、前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失9千1百万円であった。業績の減少は、輪転機事業の受注減少や連結子会社の吸収合併による影響が大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高71億3千万円、営業利益7千万円、経常利益1億6千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2億1千万円の損失を見込んでいる。業績予想の根拠は、新聞業界の厳しい環境が続く中での新規事業への取り組みや、FA市場への展開が期待されるためである。ただし、リスク要因としては、新聞社の設備投資の低迷や、デジタルメディアの影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は0円であり、前期から変更はない。配当を行わない理由は、業績の厳しさから株主還元を優先する余裕がないためである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。