コスモスイニシアの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントでビジネスを展開している。

- レジデンシャル事業

- ソリューション事業

- 宿泊事業

- 工事事業

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本国内の住宅市場は、インバウンド需要の増加や低金利政策の影響を受けており、新築マンションや一戸建ての需要が高まっている。特に、都市部では住宅供給が追いつかず、価格上昇が見込まれる。宿泊事業においても、観光客の増加により需要が拡大している。
・競争における供給の状況：供給側では、建設業界の人手不足や資材価格の高騰が影響しており、新規プロジェクトの立ち上げが難航している。これにより、供給が需要に対して不足する状況が続いている。
・既存競合他社について：競合他社は、特に大手不動産会社やリノベーション専門企業が多く、価格競争が激化している。企業のブランド力やサービスの差別化が重要な要素となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にテクノロジーを活用した不動産サービスやシェアリングエコノミーに関連する企業が増加しており、従来のビジネスモデルに挑戦している。
・代替品について：代替品としては、賃貸住宅やシェアハウスが挙げられ、特に若年層を中心に人気が高まっている。これにより、購入よりも賃貸を選ぶ消費者が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高85,910百万円（前年同期比13.6％増）、営業利益7,042百万円（同123.0％増）、経常利益6,041百万円（同129.3％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益3,943百万円（同142.7％増）を計上した。前年同期と比較して、レジデンシャル事業や宿泊事業の好調が業績を押し上げた。特に、宿泊事業はインバウンド需要の増加により大幅な成長を見せた。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高134,000百万円（前年比7.6％増）、営業利益9,000百万円（同21.2％増）、経常利益7,800百万円（同16.7％増）、親会社株主に帰属する当期純利益5,200百万円（同21.5％増）である。業績成長の根拠としては、引き続きインバウンド需要の増加や新築マンションの販売増が挙げられる。ただし、資材価格の高騰や人手不足がリスク要因として存在し、これが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の期末配当金は20.00円を予定しており、前期からの増配が見込まれている。これは、業績の好調を受けた株主還元の一環である。自社株買いについての具体的な計画は示されていないが、今後の業績に応じた柔軟な対応が期待される。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が好調であり、次期業績成長率も堅調であるため、投資家の期待感が高まると考えられる。