日本化学産業の決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は日本化学産業株式会社であり、主に薬品事業と建材事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場においては、電子工業の需要が回復基調にあり、特にリチウムイオン電池関連の需要が堅調である。建材事業は新設住宅着工戸数の減少により厳しい状況が続いているが、新規顧客の開拓により回復の兆しが見られる。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格変動が影響を及ぼしている。特に非鉄金属相場の上昇が薬品事業におけるコストに影響を与えているが、企業は生産コスト削減に努めている。
・既存競合他社について：競合他社は多く存在し、特に薬品事業では大手企業が強い影響力を持っている。競争が激化している中で、差別化された製品やサービスの提供が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にリチウムイオン電池関連の分野では新たな企業が参入してくる可能性がある。これにより競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他のエネルギー源や材料が考えられるが、特にリチウムイオン電池の代替品はまだ確立されていないため、需要は安定している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高19,291百万円、営業利益2,349百万円、経常利益2,633百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,868百万円であり、前年同四半期比でそれぞれ16.1%、51.5%、40.2%、46.7%の増加を示している。前期は売上高が16,620百万円であったため、業績は大きく改善している。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高24,720百万円、営業利益2,570百万円、経常利益2,870百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,990百万円であり、前年対比でそれぞれ10.1%、18.0%、12.1%、14.2%の増加が見込まれている。リスク要因としては、為替相場の変動や原材料価格の不安定さ、国内外の政治情勢の影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は60.00円であり、前期からの変更はない。配当の維持は、安定した業績に基づくものであり、株主還元の姿勢を示している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。