プロシップの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、主に固定資産管理ソリューションを提供する株式会社プロシップであり、主なセグメントは「パッケージソリューション事業」と「その他事業」である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：固定資産管理ソリューションに対する需要は安定しており、特にインフラ業界向けの大型案件が増加している。顧客のシステム投資需要が高まっており、バージョンアップや新基準対応のニーズが顕著である。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のソリューションを提供しているが、当社は専門性を活かしたサービスを展開しており、品質管理や生産性向上に注力している。
・既存競合他社について：競合には大手IT企業や専門のソフトウェア開発会社が存在し、価格競争や機能の差別化が求められている。特に、顧客のニーズに応じたカスタマイズが競争力の鍵となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、クラウドサービスの普及に伴い、SaaS型の競合が増加している。これに対抗するため、当社も新たなSaaSソリューションを開発している。
・代替品について：代替品としては、他の管理ソフトウェアやエクセルなどの汎用ツールが考えられるが、専門性の高いソリューションに対するニーズは依然として強い。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高4,954百万円（前年同四半期比0.9％増）、営業利益1,096百万円（同11.3％増）、経常利益1,206百万円（同1.1％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益895百万円（同6.8％増）であった。前期と比較して、営業利益が大きく改善した要因は、固定資産管理ソリューションのバージョンアップ対応や大型案件の推進によるものである。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高7,300百万円（7.1％増）、営業利益1,900百万円（16.4％増）、経常利益2,000百万円（6.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円（3.7％増）である。業績予想の根拠は、引き続き既存顧客へのバージョンアップ対応やインフラ業界向けの大型案件の推進に加え、品質管理の強化による営業利益率の改善が見込まれる。リスク要因としては、経済環境の変化や競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は52.00円であり、前期からの増配が見込まれている。これは、業績の改善に伴い、株主還元を強化する方針によるものである。配当の支払いは、親会社株主に帰属する四半期純利益の増加に基づいている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、業績の改善が続くことから上昇が期待される。