リンコーコーポレーションの決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は運輸、不動産、ホテル事業、関連事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の緩やかな回復に伴い、個人消費が増加している。特に運輸部門では再生可能エネルギー関連貨物の取扱いが開始され、需要が高まっている。ホテル事業も宿泊需要が堅調で、宴会やレストラン部門の集客も良好である。
・競争における供給の状況：運輸部門では一般貨物の取扱量が増加しているが、コンテナ貨物は減少している。供給側では、物価上昇に伴うコスト増加が影響している。
・既存競合他社について：競争が激化している中、特に運輸業界では他社との価格競争が見られる。ホテル業界でも、サービスの質向上が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は見られるが、既存の大手企業に対抗するためには、ブランド力やサービスの差別化が必要である。
・代替品について：運輸部門では、他の輸送手段（鉄道や航空）との競争がある。不動産部門では、賃貸物件の選択肢が多様化しているため、競争が激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は102億5千6百万円で、前年同期比2.9％の増収。営業利益は3億8千4百万円で115.8％の増益、経常利益は5億2千6百万円で67.6％の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億4千8百万円で13.2％の増益となった。前期と比較して、全体的に業績が改善している。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高13,500百万円、営業利益350百万円、経常利益400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益380百万円とされている。リスク要因としては、物価高や為替の変動、米国の政策が挙げられる。特に、物価上昇がコストに与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は30円で、前期と同額である。配当維持の理由は、安定した利益基盤を背景にした株主還元の方針によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。