中村超硬の決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のセグメントで構成されている。特殊精密機器事業、化学繊維用紡糸ノズル事業、D-NexT事業、マテリアルサイエンス事業。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の経済回復が進む中、特に炭素繊維用ノズルの需要が高まっているが、工作機械業界や電子部品業界の低迷が影響している。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料やエネルギーコストの高止まりが続いており、製造業全体に影響を与えている。
・既存競合他社について：競合他社は、特に特殊精密機器事業において新規顧客の獲得を進めており、業界内での競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新を背景に新たなプレイヤーが市場に参入する可能性がある。
・代替品について：代替品の存在はあるが、特に高性能な製品に対する需要が高まっているため、競争力を維持する余地がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は2,116百万円で前年同期比15.2％増加した。営業利益は1百万円、経常損失は9百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は13百万円であった。前期は営業損失340百万円、経常損失362百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失442百万円であったため、改善が見られる。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は売上高3,300百万円、営業利益110百万円、経常利益80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20百万円である。リスク要因としては、米国の関税政策や中国経済の回復遅延が挙げられる。また、半導体需要の低迷が続く場合、D-NexT事業に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は2025年3月期も0.00円のままであり、前期から変更はない。配当額が変更されない理由は、業績改善が見られるものの、依然として純損失が発生しているため、株主還元を控える判断がなされたと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。