大成建設の決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

大成建設株式会社は、土木事業、建築事業、開発事業、その他のセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済は個人消費や設備投資の回復により、建設市場においても民間投資が持ち直している。政府の公共投資も堅調であり、特に防災・減災対策が需要を支えている。
・競争における供給の状況：資材価格の高止まりや労務需給の逼迫が影響し、建設コストが上昇している。これにより、企業はコスト管理を強化する必要がある。
・既存競合他社について：大手建設会社が多く存在し、競争が激化している。特に、技術力やコスト競争力が求められる中で、各社は差別化を図る必要がある。
・新規参入企業について：新規参入は少ないが、特定のニッチ市場においては新興企業が存在し、競争を激化させる可能性がある。
・代替品について：代替品としては、プレファブ建材や新技術を用いた建設方法が挙げられ、これらが市場に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比33.3％増の1兆5,275億円、営業利益は同356.6％増の799億円、経常利益は同268.9％増の925億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同324.0％増の837億円となった。前期との比較では、全てのセグメントで増収を達成し、特に土木事業と建築事業の利益率が改善したことが寄与した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高1兆990億円、営業利益87億円、経常利益97億円、親会社株主に帰属する当期純利益83億円を見込んでいる。リスク要因としては、資材価格の高止まりや労務需給の逼迫が挙げられ、これがコスト上昇を引き起こす可能性がある。また、海外経済の減速も影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は65円で、前期と変わらない。配当維持の理由は、安定した利益成長を背景にした株主還元の方針によるものである。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。