レノバの決算短信<2025年3月期第3四半期決算短信〔IFRS〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は再生可能エネルギー発電事業およびその開発・運営事業を主なビジネスセグメントとしている。具体的には、バイオマス発電、太陽光発電、蓄電池事業などが含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：再生可能エネルギーの需要は、国際的なエネルギー政策や国内のカーボンニュートラル目標により急速に増加している。特に、企業の再生可能エネルギー調達ニーズが高まっており、PPA（Power Purchase Agreement）契約の締結が進んでいる。
・競争における供給の状況：再生可能エネルギーの供給は、国内外の新規発電所の開発が進む中で増加しているが、供給能力の確保には依然として課題が残る。特に、バイオマス発電所の運転開始や蓄電池の導入が鍵となる。
・既存競合他社について：国内の再生可能エネルギー市場には多くの競合が存在し、特に大手電力会社や新興企業が活発に参入している。競争が激化する中で、技術革新やコスト削減が求められている。
・新規参入企業について：再生可能エネルギー市場は成長が見込まれるため、新規参入企業が増加している。特に、テクノロジー企業やスタートアップが新しいビジネスモデルを持ち込むことで競争が一層激化している。
・代替品について：再生可能エネルギーの代替品としては、化石燃料や原子力が考えられるが、環境意識の高まりにより再生可能エネルギーの優位性が増している。特に、エネルギー安全保障の観点からも再生可能エネルギーの重要性が増している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上収益が48,631百万円で前年同期比63.0%増加した。EBITDAは16,624百万円で18.4%の増加を示したが、営業利益は2,529百万円で60.3%の減少となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は912百万円の損失となり、前年同期の5,984百万円の利益から大きく乖離した。主な原因は、徳島津田バイオマス発電所の売電収入減少や、複数のバイオマス発電所の運転開始による影響である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上収益71,800百万円、EBITDA20,800百万円、営業利益1,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益5,900百万円とされている。成長の根拠としては、再生可能エネルギーの需要増加や新規発電所の運転開始が挙げられるが、リスク要因としては、原材料費の高騰や競争の激化が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の配当予想は0.00円であり、前期から変更はない。配当が行われない理由としては、再投資を優先する方針があるためと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。