クックパッドの決算短信<2024年12月期 決算短信〔ＩＦＲＳ〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

クックパッド株式会社は、料理レシピ検索・投稿サービス「クックパッド」を中心に、関連事業を展開している。主なセグメントは、レシピサービス、ECサービス（クックパッドマート）、パーソナルコーチングサービス（moment）である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：料理に対する関心が高まる中、特に健康志向や時短料理のニーズが増加している。家庭での料理を楽しむ傾向が強まり、レシピサービスの需要は安定している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しており、特に無料のレシピサイトやアプリが増加している。これにより、ユーザーの獲得競争が激化している。
・既存競合他社について：主な競合には、レシピサイトの「クラシル」や「DELISH KITCHEN」があり、特に動画コンテンツを強化している。これらの競合は、ユーザーのエンゲージメントを高めるための工夫を凝らしている。
・新規参入企業について：新たな料理関連アプリやサービスが次々と登場しており、特に若年層をターゲットにしたスタートアップが増えている。これにより、競争がさらに激化する可能性がある。
・代替品について：料理に関する情報はSNSやYouTubeなどでも容易に入手できるため、これらのプラットフォームが代替品として機能している。特に、視覚的なコンテンツが好まれる傾向が強い。

2. 当期業績の内容

2024年12月期の連結業績は、売上収益が5,876百万円で前期比22.8％減少した。これは、プレミアムサービス会員の減少や広告事業の廃止、事業開発体制の見直しによるものである。営業利益は673百万円の黒字を達成し、前期の2,799百万円の損失から大きく改善した。税引前利益は1,109百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,332百万円で、前期の損失から回復した。

3. 次期業績予想の内容

2025年12月期の業績予想は開示されていない。企業は、事業環境の変化に応じて機動的に投資を行う方針を示しているため、具体的な数値を算定することが困難である。リスク要因としては、競争の激化やユーザーの嗜好の変化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期も配当金は支払われていない。企業は、事業基盤の強化や成長のための投資を優先しており、剰余金の配当は行わない方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。