ＷＤＢホールディングスの決算短信<2025年3月期　第3四半期決算短信[日本基準]（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は人材サービス事業（理学系分野の派遣）およびCRO事業（医薬品開発の業務受託）を展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：理学系分野の人材派遣に対する需要は、厳しい人手不足を反映し、底堅く推移している。特に、医薬品開発におけるCRO事業は、医薬品メーカーからの受託業務が増加しており、需要が高まっている。
・競争における供給の状況：人材サービス業界全体での供給は依然として厳しい状況にあり、求職者の確保が課題となっている。特に理学系の専門職においては、スキルを持つ人材が不足している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に人材派遣やCRO事業を展開しており、特に大手企業が市場シェアを持っている。競争が激化しているため、価格競争やサービスの差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特定のニッチ市場に特化した企業が増えている。これにより、特定の分野での競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、フリーランスや契約社員の活用が挙げられる。企業はコスト削減のために、正社員ではなくフリーランスを選ぶ傾向が見られる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の売上高は38,838百万円で前年同期比4.2％増加したが、営業利益は4,081百万円で前年同期比3.9％減少した。経常利益も4,104百万円で同様に3.9％減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,256百万円で13.3％減少した。業績の減少は、派遣社員の待遇改善に伴う売上原価の増加が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高51,800百万円、営業利益4,750百万円、経常利益4,770百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,970百万円とされている。リスク要因としては、派遣スタッフの確保が依然として課題であり、経済環境の変化や競争の激化が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は36.50円で、前期からの変更はない。株主還元の方針としては、安定した配当を維持しつつ、業績に応じた配当の増加を目指している。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。