大東銀行の決算短信<2025年３月期　第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下のビジネスセグメントを持つ。銀行業務、リース業務、その他（クレジットカード事業、信用保証業）。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の銀行業界は低金利環境が続いており、貸出需要は緩やかに回復している。特に中小企業向けの融資需要が高まっているが、個人向けの需要は依然として厳しい状況。
・競争における供給の状況：多くの金融機関が競争を強化しており、特にデジタルバンキングの普及が進んでいる。これにより、顧客獲得のためのサービス競争が激化している。
・既存競合他社について：メガバンクや地方銀行が競合として存在し、特にメガバンクは資本力が強く、広範なサービスを提供しているため、競争が厳しい。
・新規参入企業について：フィンテック企業の台頭が見られ、特にオンラインバンキングやモバイル決済サービスを提供する企業が増加している。これにより、従来の銀行業務に対する脅威が高まっている。
・代替品について：仮想通貨やクラウドファンディングなどの新しい金融サービスが代替品として台頭しており、特に若年層を中心に人気を集めている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の経常収益は99億9百万円で前年同期比0.5%増加した。経常利益は18億46百万円で12.6%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億42百万円で10.6%の増益となった。前年同期と比較して、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加が主な要因である。前期との差異として、経常利益は前年同期比で増加しているが、業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、経常収益126億円、経常利益19億円、親会社株主に帰属する当期純利益12億円を見込んでいる。リスク要因としては、低金利環境の継続や競争の激化が挙げられる。また、経済の不透明感が影響を及ぼす可能性があるため、慎重な見通しが求められる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は30円で、前期と同額を維持する見込みである。配当額の変更はないが、安定した配当政策を維持することで株主還元を図る意向が示されている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。