ＫＡＤＯＫＡＷＡの決算短信<2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、出版・IP創出、アニメ・実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTech事業など多岐にわたるセグメントを展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：デジタルコンテンツの需要が高まる中、特にアニメやゲームにおいては国内外での人気が持続しており、特に新作のリリースが消費者の関心を集めている。出版市場では、電子書籍の需要が増加しているが、紙媒体の需要は減少傾向にある。
・競争における供給の状況：競合他社もデジタルコンテンツの強化を進めており、特にアニメ制作会社やゲーム開発会社が新たなタイトルを次々と発表している。供給過剰の状況も見られ、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：主要な競合には、アニメ制作の大手やゲーム開発会社が存在し、特に新作のリリース時期において競争が激化する。これにより、マーケティング戦略やブランド力が重要な要素となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業が増加しており、特にインディーズゲームや小規模なアニメ制作会社が市場に参入している。これにより、競争が一層激化している。
・代替品について：代替品としては、他のエンターテインメントコンテンツ（映画、音楽、スポーツなど）が挙げられ、特にストリーミングサービスの普及により、消費者の選択肢が広がっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の業績は、売上高206,587百万円（前年同期比10.5％増）、営業利益15,838百万円（前年同期比18.8％増）、経常利益17,226百万円（前年同期比28.5％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益7,366百万円（前年同期比16.7％増）となった。前年同期はサイバー攻撃の影響で減収となったが、今期は新作のリリースや海外市場の拡大が寄与した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高271,700百万円（前年同期比5.3％増）、営業利益16,300百万円（前年同期比△11.7％減）、経常利益16,200百万円（前年同期比△19.9％減）、親会社株主に帰属する当期純利益9,000百万円（前年同期比△20.9％減）とされている。リスク要因としては、サイバー攻撃の影響や市場競争の激化が挙げられ、特にWebサービス事業の回復が遅れる可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は30.00円であり、前期から変更はない。配当維持の理由は、安定した利益の確保と株主還元の意向によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。