セキの決算短信<2025年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

セキ株式会社は、印刷関連事業、洋紙・板紙販売関連事業、出版・広告代理関連事業、美術館関連事業、カタログ販売関連事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：経済活動の正常化やインバウンド需要の増加により、特に印刷関連事業や出版・広告代理関連事業において需要が回復傾向にある。しかし、デジタル化の進展により商業印刷物の需要は減少している。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇が影響し、供給側のコストが増加している。これにより、企業は価格改定を余儀なくされている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に原材料費の上昇に直面しており、価格競争が激化している。特にデジタル化に対応した新しいビジネスモデルを持つ企業が競争優位性を持つ。
・新規参入企業について：デジタル印刷やオンラインサービスを提供する新規参入企業が増加しており、従来の印刷業界に新たな競争をもたらしている。
・代替品について：デジタルメディアの普及により、印刷物の代替品としてのデジタルコンテンツが増加している。これにより、印刷関連事業の需要が圧迫されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高9,031百万円（前年同四半期比4.3％増）、営業利益49百万円（前年同四半期比22.7％減）、経常利益246百万円（前年同四半期比10.1％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益155百万円（前年同四半期比1.7％減）であった。営業利益の減少は、原材料費や人件費の上昇が主な要因である。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高12,660百万円（前期比5.6％増）、営業利益200百万円（前期比23.1％減）、経常利益410百万円（前期比14.4％減）、親会社株主に帰属する当期純利益320百万円（前期比12.4％減）である。業績予想の根拠は、デジタルマーケティングの強化やBPO事業の推進による売上増加が期待される一方、原材料費の高騰や人件費の上昇がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当は年間24.00円であり、前期から変更はない。配当維持の理由は、安定した利益基盤を維持し、株主還元を重視する姿勢によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。