ＪＣＵの決算短信<2025年３月期第３四半期決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、薬品事業と装置事業の2つのセグメントで構成されている。薬品事業は、電子分野と装飾分野に分かれ、装置事業は製造装置の提供を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：エレクトロニクス産業においては、スマートフォンやパソコンなどの高機能電子デバイスの需要が回復基調にあり、特にプリント基板や半導体パッケージ基板の需要が増加している。自動車産業では、新興国向けの需要が持ち直しているが、全体的には横ばいの状況。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体市場の回復が見られ、特に台湾や韓国での需要が増加している。これにより、競争が激化しているが、供給能力の向上も進んでいる。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の製品を提供しており、特にアジア地域の企業が強力な競争相手となっている。価格競争が激化しているため、品質や技術力が差別化の鍵となる。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデジタル技術の進展に伴い、AIやIoT関連の製品を提供する企業が増加している。これにより、競争がさらに厳しくなる可能性がある。
・代替品について：代替品としては、従来の製品に代わる新しい技術や素材が登場しており、特に環境に配慮した製品が注目されている。これにより、消費者の選択肢が広がり、企業は新たな戦略を求められている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高20,732百万円、営業利益7,636百万円、経常利益7,954百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益5,487百万円であり、前年同期比でそれぞれ20.5％、41.8％、41.2％、46.5％の増加を記録した。前期は売上高が17,212百万円であったため、業績は大きく改善している。業績予想との乖離は、特に営業利益と経常利益において顕著であり、需要の回復が寄与している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高28,000百万円、営業利益10,000百万円、経常利益10,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益7,200百万円であり、前年同期比でそれぞれ12.6％、24.4％、27.8％、30.2％の増加が見込まれている。リスク要因としては、国際的な経済情勢や為替変動、原材料費の高騰が挙げられる。特に、米国の政策動向や中東地域の情勢が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当額は74.00円であり、前期からの増加が見込まれている。配当額の変更理由は、業績の改善に伴う株主還元の強化である。自社株買いについては、自己株式の取得が行われており、株主価値の向上を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、現在の業績改善のトレンドを考慮すると、上昇が見込まれる。